正月4日は伊勢丹新宿店で開催されているIKESHOKU展&純国産宝絹展へ。
他にも歌舞伎ファッションミュージアムや着物トークショーなどもあって、着物好きにはパラダイスのような店内でした。
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イケてる職人たちによる「IKESHOKU展」 |
今日のお目当ては、箏奏者の
中しまりんさんと、篠笛の
佐藤和哉さん、アコースティックギターのギター奏者大里健伍さん、トランペットの秋山璃帆さんによる異色のコラボライブ。
中しまりんさんは、ラメがたくさん入った黒地の付け下げに、ビーズ刺しゅうの半襟、帯締めを水引風に締めていて、とってもお洒落でセンスがいい。
もともとお綺麗な方なので何を着ても似合うのだろうけれど、さらにご自分を演出する着物スタイルをしっかりと持っていらっしゃるように思いました。
篠笛の佐藤和哉さんは立ち居振る舞いや所作が優雅で美しい人でした。
篠笛の演奏というのはあまり馴染みがなかったのですが、能管よりも低音でどっしりとした感じ。
正直言うと、トランペットや箏の音にかき消されて、篠笛の音色を味わうところまではいかなかったので、今度じっくり篠笛だけの演奏を堪能したいものです。
トランペットの秋山璃帆さんはアンティークの鮮やかな着物に袴姿でかなり個性的な出で立ちでした。大里さんのアコースティックギターは残念なことにほとんど聞こえなかった……。
PAがないので、こういうライブではヴォリュームのバランスが難しいですね。
特に、楽器が和洋折衷だから。
肝心のIKESHOKU展は、
私のような小心者には敷居が高く、入りにくい照明&ディスプレイだったので、怖気づいてしまって、とうとう足を踏み入れることができませんでした。
その代わり、7階の呉服売り場で開催されていた「純国産宝絹展」へ。
こちらの方が、私には数倍入りやすかったです。
見学していると、担当の方が丁寧に説明してくださったうえに、写真のような純国産の繭玉と繭玉と撚った糸束をいただきました。
繭玉を振るとカタカタ鳴って、なかにお蚕さまが入っているのが分かります。
こうしてお蚕さまが命がけで紡いだ絹をまとっているのですね。
繭玉って、見ているだけで、心が和んであたたかくなります。
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結城紬地機実演
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焦げ茶地に赤や黄色に染めた糸をところどころに織り込んでいきます。
1枚の反物が仕上がるのに7カ月はかかるとか。
絹糸に負担がかからないよう化学染料で染めているそうです。
(化学染料のほうが染色に負担がかからないのですね。初めて知りました。)
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座操り実演 |
繭から糸を紡いでいくところです。
細い細い糸が切れないように、撚り合わせた糸がしっかり接合するように、絶妙な引っ張り加減、距離感、タイミングで機械が動いていきます。
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紡がれた絹糸 |
蚕1匹が吐く糸の長さは1.5kmもあるとか。
蚕の生命力って本当にすごい!
ますます絹の着物が愛おしくなりました。 大切に着なければ。
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江戸組紐制作実演 |
今では「組紐=帯締め」というイメージですが、明治(あるいは戦前)は帯締めといえば、丸ぐけが一般的だったので、組紐はもっぱら刀の下げ緒や巻き物の飾り紐などに使われていた、と職人さんがおっしゃっていました。
写真で制作している帯締めを仕上げるのに丸一日かかるそうです。
写真は16玉ですが、多いものでは32玉、48玉とか組目が密で細かいものもあるそう。
でも、8玉などの組目が大きい方が、技術の差が出やすいとのこと。
なるほどー。
やはり機械織りよりも、手組のもののほうが断然美しい。
私はこの日は機械織りの高麗組の帯締めを締めていたので、コートを着ていてよかった!
機械織りの帯締めでは、組紐職人さんの前にとてもじゃないけど立てません……。
6階の歌舞伎ファッションミュージアムでは歌舞伎の衣装が13点展示されていて、これもかなり見ごたえがありました。
特に目を奪われたのが、先代萩の政岡の衣裳だった黒繻子地雪持竹南天雀文様裲襠。
竹に雀で伊達家を象徴しているそうです。雀がなんとも愛らしい。
黒繻子地に、雪の白と南天の赤、竹の黄色の刺繍が美しく映えていて、いつまで見ていても見飽きない。
というわけで、着物の美しさに浸りきった一日でした。