2012年10月22日月曜日

落合きものスタンプラリーでのコーディネート

 
染色工房をめぐるので、
前日までは江戸小紋か更紗の袷のきものにしようかなと思っていました。

しかし、急遽このようなコーディネートに変更。



着物:御召の単衣。

帯:横段模様の紬帯。

帯締めと帯揚げで秋らしい色合い(?)に。


日曜日の昼間は暑かったし、スタンプラリーでガンガン歩くので(おまけに各工房の中も人がいっぱいで暑かった!)、単衣にして大正解。

それでもけっこう汗を掻いたくらいでした。
お散歩日和のいいお天気でしたからね。

(江戸小紋の工房に江戸小紋を着ていくのは、なんとなく勇気がいるような気がするのは夢ねこだけでしょうか……。)


それにしても、
ラリーに参加した着物姿の人たちは、紬や木綿、小紋や付け下げ、色無地など、ドレスコードがバラバラで、帯の組み合わせもさまざま。

みんな十人十色のコーディネートで、見ていてとっても面白かったです。


着物のコーディネートって、各人がそれぞれの感性で自分らしさを表現する、一種のアートなんだとあらためて感じました。

雑誌とかに掲載されているモデルさんの整った完璧な着姿を見るよりも、普通の人々の個性豊かな着物姿を見るほうがダンゼン楽しい!

工房での職人さんの説明の時も、観客の後ろの方にまわって、
みなさんの着姿をウォッチングしていたのですが、
キッチュな美とでもいうようなカオス的パワーがみなぎっていました。

2012年10月21日日曜日

2012年「第11回 染のまち落合 スタンプラリー」へ

日曜日、新宿区落合で開催された「第11回染のまち落合スタンプラリー」に参加しました。

このイベントは、江戸小紋の「松綱染工所」、江戸更紗の「染の里二葉苑」、東京友禅の「アトリエ功」「東京手描友禅工房協美」、湯のし「吉澤湯のし加工所」をスタンプラリー形式で工房見学をしながらめぐるというもの。

きものを着ていくとさまざまな特典があるので、町は着物姿の女性であふれていました(眼福・眼福)。


『二葉苑』の江戸更紗

スタンプラリーのゴールとなったのが、江戸小紋・江戸更紗の『染の里・二葉苑』。

職人さんたちが、「引場」「蒸場」「水元」「板場」といった各工程の作業場をていねいに解説してくださいました。

(各作業場の解説はこちらをご覧ください。)



板場での作業
板場では、板に張った白生地のうえに伊勢型紙を置いて、染色と糊の塗布を行います。
(板場担当は和更紗職人の中野史朗さん)


熟練の手仕事には無駄がなく、
気の遠くなるような繊細・緻密な作業を的確に、リズミカルに進めていく。
全体の動きがなめらかで、美しい。

仕事に魂と情熱を注ぎ込む職人さんの姿には、胸を打つものがあります。

どんな仕上がりになるのだろう。 見てみたかったなー。


伊勢型紙
鉄板かなめし革のように見えますが、これは、和紙を柿渋で貼り合わせた渋紙に神業ともいえるほど精緻な文様の彫りを入れた伊勢型紙。

伊勢型紙は、需要の低下・職人の高齢化・後継者不足などのために、存続が危ぶまれているそうです……。


摺り刷毛

さきほど、職人さんがくわえていたのがこの摺り刷毛で、シカの毛でできているそうです。

徐々にすり減って適度な短さになったものが、使いやすいとか。


二葉苑のギャラリー兼カフェ

二葉苑にはギャラリーやカフェも併設されていて、しっとり落ち着いた素敵な雰囲気でした。



スタンプラリーのカード

ポストカード大のスタンプラリーの用紙は、各工房で一色ずつスタンプを重ねて、最後に素敵な多色刷りの模様が出来上がるという、染のまちならではの洒落た趣向。

記念になります。


スタンプラリーの景品など
左は、ラリーを完走した記念の「落合ほたる特製ピンクの手拭い」。
  可愛い色なので、ウールや紬の時の半襟に使ってもよさそう。

中央の赤いバッグは、着物を着て完走したので当たった抽選の景品。

右のガマ口は、二葉苑特製の「親子ガマ口」(ガマ口の中にガマ口が入っているやつ)。
シルク地に更紗の染め文様が入っているという素敵なガマ口で、お土産に購入。


そんなわけで、着物美女に囲まれて一流の工房を見学するという、このうえない至福の一日でした。

2012年10月19日金曜日

ムットーニ新作展・NIGHT PARADISE

自動からくり人形師ムットーニこと武藤政彦さんの新作展の案内状が届きました。




渋谷パルコのロゴスギャラリーで2012年10月31日から11月12日まで開催。
http://www.parco-art.com/web/logos/exhibition.php?id=517


今回のテーマは「Night Paradise」とのこと。

『真夜中のビックバンド、月を見上げる恋人達、そして夜空に煌めく電波塔。それらの輝きは、とても愛しい「Night Paradise」』


ムットーニらしいコピーですね。


是非とも参戦したい!

急ぎの仕事が入らないことを願って……。













2012年10月18日木曜日

きものサローネイン日本橋でのコーディネート

着物のイベントに参加するのは初体験。

ドレスコードがわからないので、とりあえずこの秋はじめての袷の小紋にしました。



この小紋はどっしりと重みがあって、「やわらかもの」ならではのしっとりとした手触りと、

シルクらしいトロンとした風合いがあります。

紬を着ることが多い夢ねこですが、こういう女性らしい着物もいいものですね。



帯は秋の草花模様の八寸帯。

小紋の八掛けのカシス色に合わせてこの色の帯を選んだけれど、

もう少し上質の帯を締めていけばよかったかなあと他の方々の着姿を見て思いました。


(着物好きの方々が集まるイベントって、帯や小物が大事ですね……。

勉強になりました。)





全身像はこんな感じ。

こういうやわらかものは、身体のラインに沿ってくれるので、着やすいです。















2012年10月17日水曜日

ようやく単衣おさめ?

すこし日付が前後しますが、一昨日の月曜日、国立能楽堂で開催された能楽研鑽会に行ってきました。

そのときのコーディネート;



この日は最高気温が25度で暑かったので、御召の単衣。

この御召はけっこう厚地なので10月にちょうどいいくらいです。

(能楽堂でも和服の人は単衣が多かったみたい。暑い日は10月下旬くらいまで単衣でもいいんじゃないかな……。)



帯は、もめんの更紗帯。

全通柄で長めなので、ビギナーには結びやすい。


帯締めと帯上げは、ぴりっとスパイシーな赤にしました。


こういう地味めなきものに、帯や小物でアクセントを効かせるのが自分らしいコーディネートのような気がします。

(着物のコーディネートって、微妙に性格が反映されるのかもしれません。)













2012年10月16日火曜日

きものサローネ イン 日本橋 PartⅡ

きものサローネ イン 日本橋2日目。

最初に参加したイベントは、『七緒』などでおなじみの秋月洋子さんに学ぶ

「きもののセンスを磨く」。

秋月さん流のコーディネート術が紹介されます。

着物スタイリストの秋月洋子さん


相変わらず、シックなコーディネート。

こういうぼんやりした色合いは、夢ねこ自身はまったく似合わないのですが、似合う人には、都会的で洗練された感じになって素敵なのでしょうね。

参考になったのは以下の2点。

(1)色半襟の色は濃いめにして、ポイントを身体の上に持ってくると、バランスがとれたコーディネートになる。

(2)多色使いの小紋などの場合、その中のいちばん印象の薄い色を帯や小物に使うと、いつもとは違った意外性のあるコーディネートになる。
〈通常は、着物の柄の中の1番目か2番目に印象的な色を、帯や小物に使うので。)


ふむふむ。今度試してみよう。

きものサローネイン日本橋・PartⅠ

COREDO室町で開催された「きものサローネイン日本橋」の2日目に行ってきました。


和装の来場者にはモエ・エ・シャンドンのウェルカム・シャンパンが用意されているという嬉しいおもてなし。

夢ねこも美味しくいただきました。

振袖の反物でつくられたステージ上のオブジェ


スカイツリーと浅草寺の手拭い

ほかにも、きもの姿の来場者には、帯などが当たる「きもの冨くじ」も!

夢ねこは7等で、スカイツリーと浅草寺をあしらった手拭いでした。

ちょっとした東京土産に良さそうですね。


さらに、きもの姿をプロのカメラマンに無料で撮影していただけるという「きものフォトセッション」のサービスもあって至れり尽くせり。

夢ねこも撮っていただいて、いい思い出になりました。


〈PartⅡにつづく〉










2012年10月13日土曜日

『中国王朝の至宝』展講演会の時のきもの

金曜日の夜、
近くで開催された東京国立博物館特別展『中国王朝の至宝』講演会へ行ってきました。

そのときのコーディネート;



お天気が微妙だったので、藍染風ポリの単衣。

帯は、秋の草花をあしらった花車柄の八寸帯。


こういう着物って気軽に着れるし、合わせ易い色柄なので重宝します。


ポリエルテル製だけれど、ポリポリして(化繊っぽく)ないし、手縫いで丁寧に仕立てられていて、サイズもぴったりなので、我ながら良い買い物をしたかな(自画自賛音譜)。


夢ねこは、本とか持ち歩くのでけっこう荷物が多いし、ガンガン歩くので、10月でも単衣がちょうどいいくらい。

(袷を着て歩き回ると、正直暑いあせる



何よりも「きものを着ること」が大事なので、礼装や茶席以外は細かいり決まりごとに捉われず、自分が心地いいように着ていきたいですねドキドキ























2012年10月10日水曜日

午後の海列車

水曜日、家の近くで開催された谷内智範 (やち・とものり)さんのギター・ソロコンサートへ。


                  
プログラムは;

カナリオス(Gaspar Sanz

ブーレー(J. S. Bach

アルハンブラの想い出(Francisco Tarrega

午後の海列車(谷内智範)

マシ・ケ・ナダ(Jorge Ben

主よ、人の望みの喜びよ(J. S. Bach

        

アンコール

禁じられた遊び

幼い二人の姉妹


 

透明感のある美しい音色でクラシックやボサノバの名曲が奏でられていく。

                

とくに印象的だったのが、谷内さんのオリジナル曲『午後の海列車』。


この曲は、谷内さんが島根県の海沿いを列車で旅した時に着想を得たモティーフがもとになっているそうだ。


たしかにこの曲を聞いていると、山陰特有のどんよりとした空と鉛色の海が広がる物憂い午後の風景を、海岸列車の車窓からぼんやり眺めているような気分になる。



潮騒と列車の揺れる音がかすかに聴こえてくるようだ。


旅愁を誘う素敵な曲だった。




この日の着物


きものは、胴裏に「難あり」だったため、袷から単衣に自己流で仕立てなおした紺地の紬。

帯は、義母から頂いた紬地の帯を、自分で洗濯機で洗ったもの。

今日は腰だけでなく、胸にも補正をしたので、着膨れしたみたいに見えますね。



























2012年10月7日日曜日

「着て来て落合」2012年 染のまち落合スタンプラリー

LUNCOさんにご来店されていた更紗職人さんの所属団体が主催するイベント情報。

2012年10月20・21日に第11回 染のまち落合 スタンプラリー「着て来て落合」が開催されます。
http://www.otiaihotaru.com/styled/



「染のまち」と呼ばれる染色工房の多い新宿区落合。


「着て来て落合」は、期間中、各工房を自由に訪れて、工房独自の染色の実演を拝見できるというイベントです。

↓のような工房があります。

                       


西武新宿線中井駅と下落合駅沿いの5つの工房をスタンプラリー。

       



当日着物で参加してスタンプラリーを完走すると、抽選で↓の写真のような豪華な帯が当たるそうです。

和装でなくても、ラリー完走者には各日先着200名に特製手ぬぐいがプレゼントされるとのこと。



いずれにしろ、

着物関係の工房で実際の作業工程を見てみたかった夢ねこには、うれしいイベントです。


行楽の秋、お散歩がてらに参加してみてはいかがでしょう。







LUNCOさんの「さらさっさ」展へ

目白にあるLUNCOさんの「さらさっさ」展に行ってきた。

http://www.lunco.net/



超有名店のLUNCOさんだけど、夢ねこが行くのはこれが初めて。


店内はアンティーク着物や古裂や小物のおしゃれなギャラリーといった感じだ。

一流の審美眼によって厳選された、美しい色柄を持つ上質な着物や帯。

見ているだけで胸がときめいて、幸福感に満たされる。


今回ラッキーなことに、若手の更紗作家さんがたまたま御来店されていた。

おかげで更紗製作にまつわるお話や更紗の起源、それぞれの地域の伝統更紗の特徴などを、直接うかがうことができた。


更紗って、「サラセン」と語感が似ているから、てっきりペルシャ由来だと思っていたけれど、インド更紗が起源だとのことだった。

(唐草模様や幾何学模様からなる「サラセン模様」というものがあるが、インド更紗も、サラセンの影響を受けているらしい。)


インド更紗は、木版で木綿にプリントするのが一般的だそうだ。

ジャワ更紗には、何度も何度も布に蝋を置いて(蝋置き)、色を落としていく蝋防染の技法が用いられる。

日本の更紗(和更紗)では、伊勢型紙のように柿渋を幾重にも塗った和紙に、気が遠くなるほど繊細緻密な文様を彫った型紙などが使われる。

幅30センチほどのこの型紙を使って、継ぎ目がわからないように摺りこんで染めていくのが、日本の伝統的な更紗技法だ。

ただし、和更紗のなかには、手描きのものや木版を使ったものもあり、たとえば、友禅染めの技法で更紗文様を描いたものでも「更紗」と呼ばれることもあり、その定義は一定していないそうである。


江戸小紋などの型染め職人は比較的多いけれど、更紗職人の方は絶滅危惧種のようなもので、その伝統を受け継ぐ若い人はほとんどいらっしゃらないのだそう。


今日、お話をうかがった若手更紗職人の方は、この類まれな伝統技法を受け継いでいこうという、気骨と情熱のある方だった。


















背中のエクササイズ?

10月最初の日曜日、いよいよ着物の季節の到来です。




袷の時期だけれど、まだまだ袷は暑いので、木綿の着物。

木綿の着物って意外と厚みがあるので、9月に着るには暑かった!
ようやく出番がまわってきました。


帯は、スタンダードな唐子の塩瀬なごや帯。

この帯、短めだし、芯が入っていなくてクタクタ、そのうえ太鼓柄がなんだか変てこな位置についているので、結びにくいことこの上ない。


5回くらい結びなおして、ようやくなんとか形になりました。

おかげで襟元がぐしゃぐしゃ。

腕を背中にまわして、あれこれやっていたので、ものすごく腕と背中の筋肉のエクササイズになった気がします。

実際、帯結びって柔軟性が要るし、普段使わない筋肉を使いますよね。


塩瀬の帯はこれ一本しか持っていないので一概には言えないけれど、結びにくいから苦手。

夢ねこのこの帯だけ特別結びにくいのだろうか、それとも、塩瀬の帯は全般的に結びにくいのだろうか……。































2012年10月4日木曜日

国立能楽堂公開講座へ


9月最後の土曜日、国立能楽堂の公開講座にはじめて参加した。

 この日は、7月に市の能楽講座で講師を務めてくださった国文学研究資料室の小林健二先生による『縁起物語と能――《養老》《江島》をめぐって――』。
 
 
寺社などの由来や霊験などの伝説を記した縁起物語・縁起絵巻と能との関連を検証していくのが、今回の講座のテーマである。
 
前半は、従来は『十訓抄』や『古今著聞集』を典拠とするとされてきた世阿弥作《養老》と、《養老縁起》との考察。

養老寺に伝わるとされる《養老縁起》をもとに、世阿弥が《養老》を作曲したと考えられる根拠となったのが、天野文雄先生の論文「《養老》の典拠と成立の背景――『養老寺縁起』と義満の養老瀧見物をめぐって」だった。

この論文によると、世阿弥のパトロン・足利義満が、伊勢神宮を参拝したついでに美濃国に立ち寄り、養老瀧その他も見物した。その後入洛した際に、近江の草津まで「其外諸道ノ輩」が出向いて、将軍の帰還を祝ったという。

この「其外諸道ノ輩」のなかに世阿弥も含まれたと考えられ、義満入洛の祝宴の席で語られた養老縁起からインスパイアされて、世阿弥は《養老》を作曲したのではないかと推察されるとのことだった。
 
可能性としては充分にあり得るけれど、ただ、典拠とされる『養老縁起』が江戸前期のものだというのが、この考察のネックとなっている。
養老寺にもっと古くから(世阿弥よりも前の時代から)伝わる『養老縁起』が見つかれば、もっと強力な根拠となるのだが。
 
世阿弥の《養老》には、鴨長明の『方丈記』の有名な一節を引用したような表現(「夫れ行く川の流れは絶えずして、しかも本の水にはあらず」)や、菊慈童の話を参照した詞章(「彭祖が菊の水。しただる露の養に。仙徳を受けしより。七百歳を経る事も薬の水と聞くものを。」)などが散りばめられ、七五調の謡が川の流れのように心地よく流れていく。

「よき御代なれや。万歳の道に帰りなん。」というお目出度い結末で締めくくられるこの曲は、「若返り(不老長寿)」という無常観とは真逆のテーマを扱った作品である。権力者の歓心を買うためにその御世を讃えるには、これくらい毒気のないハッピーエンドな演出が必要だったのかもしれない。
 
 
後半は、観世長俊(世阿弥の甥・音阿弥の息子・観世小次郎信光の嫡男)による《江島》と『江島縁起絵巻』との関連の論証である。
長俊の作品は、父信光のショー的・スペクタクル的な作風をより徹底させた演出が特徴とされ、ヴィジュアルに訴える絵物語的な要素が強いと評される。
 
能《江島》の詞章と、『江島縁起絵巻』の詞書および絵とを比べて見ると、その影響関係は明らかだ。
これは、長俊が熱海に湯治に行った折に『江島縁起絵巻』をその目でじかに見て、おおいに触発された結果、《江島》を作曲したからだと考えられる、というのが後半の結論だった。
 
今回も講師の小林先生が非常に楽しそうに話して下さったので、この講義もとても興味深く拝聴することができた。


小林先生が担当された市民講座の内容は↓の記事にまとめています。
http://yumenekopart2.blogspot.jp/2012/07/blog-post_19.html

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




 
 

2012年10月2日火曜日

ブログの出戻り

10月になった!

心機一転、あらたにブログを始めることとする。


実を言うと、このブログの前に、ブログを2度ほど開設した。


いちばん最初のブログ(長女ブログ)は、同じGoogle Bloggerの以下のブログ。

うつし世は夢、夜の夢こそまこと
http://yumenokyusaku.blogspot.jp/


これは大震災をはさんでちょうど2年ほど続けた人生初のブログだった。

とくに、震災・原発事故直後の、あの日本の、日本人の異様な雰囲気を感じたまま綴った記述は自分にとって貴重なものだ。

あれ以来、世界観・価値観が一変した。

いままで漠然と疑問に思ってきたけれど、あえて言葉にしないで有耶無耶にしてきたことが、
はっきりと形になって現れてきた。

そして、わたしは進むべき道を見失った。

どちらに進むべきなのかわからなくなった。

いや、もっと以前からわからなかったのかもしれない。

分かったふりをして、生活を続けてきただけかもしれない。

とにかく、もうこれ以上、曖昧なまま続けていくことができなくなった。

なにもかも。

震災から一年が過ぎ、被災地に向かった。

過酷な現実がそこにはあった。

そして、正直に言おう、自分には耐えがたかった。

自分の無力感と、卑劣な人間であるという劣等感に耐えられなかった。

自分は何もできないまま、逃げ回っているだけなのだ。


……そして、タガがはずれた。


のっぽさんの着物道
http://ameblo.jp/yumenokyusaku/

アメブロという超ミーハーな場所で新天地を切り拓くつもりで始めたブログ(次女ブログ)だったけれど、要するに、自分の肌に合わなかった。

やはり私は、世界の片隅で、ひっそりと気ままに好き勝手なことを書くのが性にあっているようだ。


広告も何もない無味乾燥なデザインにできるBloggerは

故郷のように、静かにわたしを迎え入れてくれた。


追記:

この記事以前の投稿は、旧ブログ『のっぽさんの着物道』からおもな記事を移し替えたものです。

ただ、著作権の問題からか、画像がときどき消されたりします。

自分による自分の画像に対する著作権の侵害?

皮肉なものです。