短いフィルムの4本立てで、内容は以下の通り。
(1)『能』 カラー30分 制作:桜映画社 1966年 解説:観世栄夫
藤戸:後藤得三(喜多流)、
猩々:梅若六郎、
高砂:宝生英雄(宝生流宗家)、
土蜘蛛:桜間道雄(金春流、人間国宝)、
道成寺:観世静夫(観世銕之丞8世、7世観世雅雪の4男)、
松風:観世寿夫(7世観世銕之丞(雅雪)の長男)。
英語版“NOH DRAMA”から、1987年に日本語版制作。
(2)『能 鑑賞の知識』 カラー(退色)4巻(約40分) 制作:梅猶会
能、これは日本の心にしみた芸術的情緒の発露である。能とは何か、能の舞台、役、能楽師の修業風景を解説し、作品「羽衣」の演技を通じてその真髄を紹介する。
(3)『能の魅力 国立能楽堂公演「三井寺」より』
カラー12分 制作:TBS、TBS映画社
日本の代表的な伝統芸能である「能楽」。能を、狂女ものの代表作のひとつ「三井寺」を解説しながら、その魅力を説く。
(4)『能入門「隅田川」をみる』 カラー35分 制作:岩波映画 1986年
能鑑賞の入門編。「隅田川」を例にとり、象徴的演技の意味と見どころ、舞台・装置・道具の説明、謡曲と囃子方の音楽的側面、と各要素を総合的にとらえて、その心を伝える。
(1)の映画は、能の名場面を集めたもの。
いずれも超一流の能楽師の名演ばかりだが、
とくに観世寿夫の松風は、可憐な風情で美しかった。
恥じらいを含んだような楚々とした足運びは儚げで、胸が締め付けられそう。
ライブで見たかったとつくづく思う。
その他のフィルムでは、能楽師の稽古の様子や、舞台裏での準備
(作り物の製作や大鼓の革を炭火で乾燥させるなど)の場面、
鏡の間でシテが能面をつけるところや
揚幕があがって、シテが橋掛かりに出てゆくところを楽屋から撮った場面など、
普段は見られない貴重な映像が公開されていて、興味津々で見入ってしまった。
それにしても、能は流石に伝統芸能だけあって、
何十年も前の古い舞台の映像でも、21世紀に演じられた舞台のように
とても新鮮な感じがした。
舞台や装束のデザインも演技の型も変わらないので、当然といえば当然なのだが、
唯一、カメラが客席に転じた時、そこで鑑賞する人々の服装や髪型が、
昭和レトロな雰囲気なので、昔の舞台なのだと分かる。
羽織を着た昭和っぽい着物の着こなしには、心惹かれた。
フィルムの中に入って、あの空間に溶け込んでみたい。
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